北京魯迅博物館は1956年に開館した中国最初の人物博物館です。

博物館の館内には、魯迅に関する1万3000冊以上の書籍や直筆の原稿のほか3万点以上の収蔵品があり、魯迅の各地での活動の様子や魯迅の作品に関わりのある人々などを年代別に展示しています。

主な展示品としては、魯迅が仙台医学専門学校時代に恩師藤野先生から添削を受けた解剖学の講義ノートや、魯迅が生涯心の励みにしたと言われる裏に「惜別」と書かれた藤野先生から手渡された写真の原物もここにあります。

北京魯迅博物館には研究室、文物保管部、展示部と教育部があり、魯迅研究は博物館の重要な仕事の一つで、博物館の設立以来多くの実績を上げています。中でも研究室の出版物である「魯迅研究月刊」は学界をリードし、国内外の学者からも評価されています。

魯迅に関する文物資料の保管について、「博物館図書資料管理システム」を開発し、博物館に現存するすべての図書情報をコンピューターで管理しています。
システムでは、100万字に及ぶ「魯迅収蔵刊行物デジタル化・文物データバンク管理システム」や「魯迅博物館図書情報管理システム」（5万冊分のデータ管理）をはじめ、「魯迅文物収蔵品」、「博物館美術品」、「魯迅と同時代の人の特蔵文物」、「解放前の古い資料」、「社会科学新書・定期刊行物」、「写真資料」などをデータバンク化しています。

博物館で開催した「魯迅の読書生活」、「魯迅の生涯展」などの展示会は、中国国内の大学や博物館などで展示され大きな反響を呼んでいます。